ショートメッセージ【天地創造】その1
創世記1章
1、はじめに
モーセが書いた、創世記・出エジプト記・レビ記・民数記・申命記のことを「モーセ5書」と言います。書いた目的は、モーセがリーダーとなってエジプトの地からイスラエル人を脱出させてから、カナンの地に入るまでの40年間にイスラエルの民が神さまを拠りどころとして歩んでいくためです。エジプトでの奴隷的生活で身についた風習や文化は、神の民として相応しくないありませんでした。そこで創造主なる神を信じるイスラエル人であることを保つためにこの「モーセ5書」は書かれました。第一義的に、モーセは創世の歴史からもイスラエルの民に神のご計画と考えを説いているというのが本質なのです 。
2、6日でできた世界
創世記1章1節の《はじめに神は天と地とを創造された。》はタイトルです。
2節~31節までを要約しています。
創世記1章のまずわかりやすい特徴として6日間で世界が創造されたことが挙げられます。2章にもかかわってきますが、創造の6日間と1日の安息日で7日間が1週間という単位になっています。これは、日本にいる私たちも同じです。しかし、イスラエル人にとってはこの安息日をサイクルに持つことが民族としてのアイデンティティそのものであると言えます。
3、創造の秩序と私たちの常識
聖書全体とも言えますが、特に創世記1章のおもしろいところは、人間の考えでは想像できない記事が多いことです。特に1日目は絵にかくことさえできません。その後もなかなか想像しにくいところが多いです。その中でも特に問題として扱われるところは、3日目に植物を造られ、そして4日目にいわゆる太陽と月と思われる天体を創造されている点です。植物は太陽光がなければ枯れてしまいます。一般的な私たちの考えとは逆です。3節に《神は「光あれ」と言われた。すると光があった。》光はすでにあったということです。
ヨハネの黙示録22章5節を見ますと《夜は、もはやない。あかりも太陽の光も、いらない。主なる神が彼らを照し、そして、彼らは世々限りなく支配する。》とあります。答えはお解りだと思います。
4、神の似姿として造られた
27節《神は自分のかたちに人を創造された。すなわち、神のかたちに創造し、男と女とに創造された。》聖書この一文は、現在における人の尊厳や権利に至るまで影響を与えたと言われています。聖書は、人間と他の生き物との違いをはっきりと《神は自分のかたちに人を創造された。》と分けていることがわかります。これは他の生き物を軽んじていいと言っているのではありません。大切にしましょう。むしろ、人間同士、男女や年齢、生まれた場所や身分に関係なく、人は神さまの似姿であることを強調しているのです。
5、非常に良かった世界
31節《神が造ったすべての物を見られたところ、それは、はなはだ良かった。…》残念ですが、当時の出来上がった世界を見ることはできません。しかし、その当時の世界ではなく、神さまを信じる目で見るならばどうでしょうか。それは神さまの御言葉によってのみ生まれた世界がどれほどすばらしいかを教えてくれているのではないでしょうか。聖書の教える《はなはだ良かった》とは、神さまの御言葉に生きるときにこそ見えてくるものではないでしょうか。
2021年12月26日(日)
メッセンジャー:香川盛治