ショートメッセージ【エレミヤ③】

エレミヤ書13-24章
(良い“いちじく”となった民)

1、主の怒り~神に背く神の民(13-15章)
2、徹底した破壊の宣告(16-19章)
3、バビロン捕囚(20-24章)

 今回学ぶエレミヤ13-24章は、バビロン捕囚前の主(神さま)の怒りと裁きの警告についてのエレミヤの預言です。

1、主の怒り~神に背く神の民(13-15章)
 エレミヤ書13章1-7節を続けて読みます。

13:1 主はわたしにこう言われた、「行って、亜麻布の帯を買い、腰に結べ。水につけてはならない」。
13:2 そこで、わたしは主の言葉に従い、帯を買って腰に結んだ。
13:3 主の言葉は、再びわたしに臨んで言った、
13:4 「あなたが買って腰に結んでいる帯を手に取り、立ってユフラテの川へ行き、その所の岩の裂け目にこれを隠せ」。
13:5 わたしは主が命じられたように、行って、これをユフラテの川のほとりに隠した。
13:6 多くの日を経てのち、主はわたしに言われた、「立って、ユフラテの川へ行き、あなたに命じて、そこに隠させた帯をその所から取ってきなさい」。
13:7 そこでわたしはユフラテの川へ行き、地を掘って、隠した所から帯を取り出したが、その帯はそこなわれて、役に立たなくなっていた。

 亜麻布は本来、祭司が着る服に使われる素材です。
 神の民イスラエルは、そもそも、祭司の王国として神さまに召された存在でした。
 《帯はそこなわれて、役に立たなくなっていた。》ことは、世界中の人々に対して祭司的役割を担い、神さまを証しすることを期待された神の民が、今や、全くの役にも立たない無用でボロボロの腐った帯のようであることをあらわしています。
 エレミヤ書13章10-11節を読みます。

13:10 この悪しき民はわたしの言葉を聞くことを拒み、自分の心を強情にして歩み、また他の神々に従ってこれに仕え、これを拝んでいる。彼らはこの帯のように、なんの役にも立たなくなる」。
13:11 主は言われる、「帯が人の腰に着くように、イスラエルのすべての家とユダのすべての家とをわたしに着かせ、これをわたしの民とし、名とし、誉とし、栄えとしようとした。しかし彼らは聞き従おうともしなかった」。

 14章には、神さまに寄り添い、神さまの裁きのお言葉を民にまっすぐに伝える預言者としてのエレミヤの姿が記されています。
 それと同時に、神の民に寄り添い、民のために悲しみ、そして民に代わって罪を告白して、神へ、とりなす祭司としてのエレミヤの姿も描かれています。
 エレミヤ書14章19-20節を読みます。

14:19 あなたはまったくユダを捨てられたのですか。あなたの心はシオンをきらわれるのですか。あなたはわれわれを撃ったのに、どうしていやしてはくださらないのですか。われわれは平安を望んだが、良い事はこなかった。いやされる時を望んだが、かえって恐怖が来た。
14:20 主よ、われわれは自分の悪と、先祖のとがとを認めています。われわれはあなたに罪を犯しました。

 しかし「われわれは、あなた(神さま)に対して罪を犯しました」と告白する神の民は、エレミヤ1人だけだったのです。
 ですから神さまは、エレミヤにこう言っていました。
 エレミヤ書14章11節です。

14:11 主はわたしに言われた、「この民のために恵みを祈ってはならない。

 続けて、エレミヤ書15章1節を読みます。

15:1 主はわたしに言われた、「たといモーセとサムエルとがわたしの前に立っても、わたしの心はこの民を顧みない。彼らをわたしの前から追い出し、ここを去らせよ。

 神さまは、いかなる“とりなし”(間を結ぶ)も拒絶するという強い意志を示しています。
 それは、15章4節《またユダの王ヒゼキヤの子マナセが、エルサレムでした行いのゆえに、わたしは彼らを地のすべての国が見て恐れおののくものとする。》にあるとおり、南ユダ王国の王マナセの犯した罪の重さが理由でした。

 マナセ王は、周辺諸国のありとあらゆる偶像をエルサレムの神殿に持ち込みました。
 挙句の果てに、マナセ王の行った偶像礼拝の中には、「自分の子どもを犠牲にする」という行為もありました。
 列王記下21章6節を読みます。

21:6 またその子を火に焼いてささげ物とし、占いをし、魔術を行い、口寄せと魔法使を用い、主の目の前に多くの悪を行って、主の怒りを引き起した。

 ここで指摘されている人物は「マナセ王」です。

 このような時代に、預言者として立てられたエレミヤは苦しみました。
 神さまのお言葉を語っても、誰一人としてそれを受け入れることなく拒絶され、その上、同郷の者たちからの脅迫があり、殺されるかもしれないという危機的状況でした。

 エレミヤは、そんな不安と苦しみを神さまに告白し、神さまも、エレミヤの告白に応えています。そのやりとりが15章に記されています。
 その中で神さまは次のように言われています。エレミヤ書15章19節です。

15:19 それゆえ主はこう仰せられる、「もしあなたが帰ってくるならば、もとのようにして、わたしの前に立たせよう。もしあなたが、つまらないことを言うのをやめて、貴重なことを言うならば、わたしの口のようになる。彼らはあなたの所に帰ってくる。しかしあなたが彼らの所に帰るのではない。

 《もしあなたが帰ってくるならば》とは、「エレミヤが、本来の預言者としての立場と務めに立ち戻るなら」という意味です。

 そして、《彼らはあなたの所に帰ってくる。しかしあなたが彼らの所に帰るのではない。》と、あるように、あくまでも民が預言者のメッセージに立ち返るのが本筋であり、その逆であってはならならいと言われています。
 あくまで民に影響を与え続けて、彼らから影響を受けないようにとの警告です。

 これは、いまを生きる信仰者も同じです。世に妥協し、迎合するのではなく、神さまの御言葉に従いイエス様を証することを神さまは望まれています。

 神さまが、そのことでエレミヤに釘を刺さなければならないほどに、民の立場に立って、民に寄り添うエレミヤの姿が垣間見えます。

 また、エレミヤがそうしなければならないほどに民は、神さまに背き、今や、全く役に立たない無用でボロボロの腐った帯のようであったのです。

2、徹底した破壊の宣告(16-19章)
 エレミヤ書16章2節を読みます。

16:2 「あなたはこの所で妻をめとってはならない。またむすこ娘を持ってはならない。

 預言者ホセアは、不貞の妻を迎え入れて、神さまのありえない愛を示すように命じられました。預言者の日々の歩みそのものが、神さまからのメッセージとなっていました。
 エレミヤは、独身で生きることを命じられました。神さまから引き離された神の民の苦難を象徴するためでした。愛し合って生きるということを否定されたれた気の毒な預言者と言えます。

 それだけに神さまは、神の民とその町の徹底した破壊を預言されます。
 しかし同時にエレミヤを通して、神に立ち帰るように、民へ語り続けてもいます。
 エレミヤ書17章3-4節と18章3-6節を続けて読みます。

17:3 わたしはあなたの富とすべての宝とを、あなたの全領域の内で犯した罪の代価として、ぶんどり物とならせる。
17:4 わたしがあなたに与えた嗣業からあなたは手をはなすようになる。またわたしは、あなたの知らない地で、あなたの敵に仕えさせる。わたしの怒りによって、火は点じられ、いつまでも燃え続けるからである」。

18:3 わたしは陶器師の家へ下って行った。見ると彼は、ろくろで仕事をしていたが、
18:4 粘土で造っていた器が、その人の手の中で仕損じたので、彼は自分の意のままに、それをもってほかの器を造った。
18:5 その時、主の言葉がわたしに臨んだ、
18:6 「主は仰せられる、イスラエルの家よ、この陶器師がしたように、わたしもあなたがたにできないのだろうか。イスラエルの家よ、陶器師の手に粘土があるように、あなたがたはわたしの手のうちにある。

 陶器師は、再び、陶器師自身の気に入った他の器に作り替えていました。そのように、もし、神の民が悔い改めるなら、もう一度、神さまも気に入ったものに作り替えてくださるということが示されていました。

 しかし19章では、陶器師が器を砕くなら、もう二度と直すことができないのと同じように、ユダの民とエルサレムの町を壊滅的に砕くと言われています。
 19章11節を読みます。

19:11 そして彼らに言いなさい、『万軍の主はこう仰せられる、陶器師の器をひとたび砕くならば、もはやもとのようにすることはできない。このようにわたしはこの民とこの町とを砕く。人々はほかに葬るべき場所がないために、トペテに葬るであろう。

 立ち帰ることのない民たちに寄り添いながら、神さまの言葉を語り続けるエレミヤは、民から一切の愛の報いを受けることのない預言者でした。

3、バビロン捕囚(20-24章)
 背きの民への神さまの災いは4章では、やがて「北から」と言われていました。ここでは「北から」ではなく《バビロン》と具体的な国の名前が挙げられています。
 20章4-5節を読みます。

20:4 主はこう仰せられる、見よ、わたしはあなたを、あなた自身とあなたのすべての友だちに恐れを起させる者とする。彼らはあなたが見ている目の前で敵のつるぎに倒れる。わたしはまたユダのすべての民をバビロン王の手に渡す。彼は彼らを捕えてバビロンに移し、つるぎをもって殺す。
20:5 わたしはまたこの町のすべての富と、その獲たすべての物と、そのすべての貴重な物と、ユダの王たちのすべての宝物をその敵の手に渡す。彼らはこれをかすめ、民を捕えてバビロンに移す。

 そして、ユダ王国の最後の王ゼデキヤの動揺と遅すぎる神頼みの様子が書かれています。
 21章1-5節を読みます。

21:1 ゼデキヤ王は、マルキヤの子パシュルと祭司マアセヤの子ゼパニヤを、エレミヤのもとにつかわし、
21:2 「バビロンの王ネブカデレザルがわれわれを攻めようとしているゆえ、われわれのために主に尋ねてほしい。主はそのもろもろの不思議なわざをもって、われわれを助け、バビロンの王をわれわれから退かせられるかも知れない」と言わせた。その時、主の言葉がエレミヤに臨んだ。
21:3 エレミヤは彼らに答えて言った、「あなたがたはゼデキヤにこのように言いなさい、
21:4 『イスラエルの神、主はこう仰せられる、見よ、あなたがたが、この城壁の外にあって、あなたがたを攻め囲むバビロンの王およびカルデヤびとと戦うとき、わたしはあなたがたの手に持っている武器をとりあげ、これを町の中に集めさせる。
21:5 わたしは手を伸べ、強い腕をもって、怒り、憤り、激しく怒って、あなたがたを攻める。

 バビロンによるエルサレムへの攻撃は、実に神さまの手によるものでした。しかし神さまは、徹底した破壊のあとに救い主が来られる預言と共に、民の完全な回復の約束をも与えてくださっています。
 23章5-6節を読みます。

23:5 主は仰せられる、見よ、わたしがダビデのために一つの正しい枝を起す日がくる。彼は王となって世を治め、栄えて、公平と正義を世に行う。
23:6 その日ユダは救を得、イスラエルは安らかにおる。その名は『主はわれわれの正義』ととなえられる。

 また、24章にはバビロン捕囚の目的が書かれています。
 24章6-7節を読みます。

24:6 わたしは彼らに目をかけてこれを恵み、彼らをこの地に返し、彼らを建てて倒さず、植えて抜かない。
24:7 わたしは彼らにわたしが主であることを知る心を与えよう。彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。彼らは一心にわたしのもとに帰ってくる。

 その目的とは、神の民が真の神さまを知り、彼らがまことの神の民となり、まことの神さまが彼らの神となることの実現です。バビロン捕囚を経て、イスラエルの偶像礼拝は止むことになるのです。
 24章2節を読みます。

24:2 その一つのかごには、はじめて熟したような非常に良いいちじくがあり、ほかのかごには非常に悪くて食べられないほどの悪いいちじくが入れてあった。

 ここに2つの“いちじく”のことが記されています。
 良い“いちじく”とは、バビロンに捕囚の民となった者たちです。彼らは、やがて神さまの計画に沿って歩むようになる良い“いちじく”なのです。
 悪い“いちじく”とは、エルサレムに残った者やエジプトに逃れた者たちです。人の知恵に頼り、自分たちの思いによって、神さまのご計画から離れて歩む悪い“いちじく”になりました。

 この良い“いちじく”とは神さまの残りの者(レムナント)です。イザヤ書で見た残りの者のことがここでも明らかにされています。

 ある意味、いま、イエス様を信じている私たちも残りの者です。
 神さまは残りの者を必ず守り抜いてくださいます。また、神さまは、神さまに従って歩む者、歩もうとする者、神さまの御心を成したいと願う者が、たとえ失敗し、倒され、破壊されたとしても、必ず回復を与えてくださいます。

 私たちは、どのような“いちじく”でしょうか。
 人の知恵を優先し、神さまに背き、神さまから離れて行く、悪い“いちじく”になっていないかを省みたいと思います。

2023年10月22日(日)
ニホン・ネットキリスト教会
メッセンジャー:香川尚徳

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