ショートメッセージ【ダニエル②】

ダニエル2章
(信頼の結果)

1、王の夢
2、ダニエルの解き明かし
3、信頼の結果

1、王の夢
 ダニエル書2章1-6節を読みます。

2:1 ネブカデネザルの治世の第二年に、ネブカデネザルは夢を見、そのために心に思い悩んで眠ることができなかった。
2:2 そこで王は命じて王のためにその夢を解かせようと、博士、法術士、魔術士、カルデヤびとを召させたので、彼らはきて王の前に立った。
2:3 王は彼らにむかって、「わたしは夢を見たが、その夢を知ろうと心に思い悩んでいる」と言ったので、
2:4 カルデヤびとらはアラム語で王に言った、「王よ、とこしえに生きながらえられますように。どうぞしもべらにその夢をお話しください。わたしたちはその解き明かしを申しあげましょう」。
2:5 王は答えてカルデヤびとに言った、「わたしの言うことは必ず行う。あなたがたがもしその夢と、その解き明かしを、わたしに示さないならば、あなたがたの身は切り裂かれ、あなたがたの家は滅ぼされる。
2:6 しかし、その夢とその解き明かしとを示すならば、贈り物と報酬と大いなる栄誉とを、わたしから受けるだろう。それゆえその夢とその解き明かしとを、わたしに示しなさい」。

 バビロンのネブカデネザル王が夢を見て、その夢の内容とその解き明かしをするように命じます。夢の解き明かしはともかく、何の夢を見たかまではわかるわけがありません。ですから、王に「夢を教えてください。」とお願いをするのですが、王は、このことで機嫌を損ね、国の知識人すべてを殺すように命じます。この書の主人公ダニエルやその仲間も例外ではありません。バビロン王国の王の力が、どれほど強いのかを教えられるエピソードです。
 2章14-16節を読みます。

2:14 そして王の侍衛の長アリオクが、バビロンの知者らを殺そうと出てきたので、ダニエルは思慮と知恵とをもってこれに応答した。
2:15 すなわち王の高官アリオクに「どうして王はそんなにきびしい命令を出されたのですか」と言った。アリオクがその事をダニエルに告げ知らせると、
2:16 ダニエルは王のところへはいっていって、その解き明かしを示すために、しばらくの時を与えられるよう王に願った。

 ダニエルは、時間を稼いでいるうちに同僚のハナニヤ、ミシャエル、アザリヤと自分たちが滅ぼされないように神さまに祈り求めました。当時は、現在のような科学万能主義ではなく、占星術や占いに答えを求める時代でした。

 現代は、科学万能主義に陥りやすいですが、これもまた完全なものではありません。ある一定のある条件において再現性のあるものが科学ですから、必ずしも万能なものではないことは科学者自身が認めるところです。当時の占星術や占いなどもまた同様でした。

 ゆえにダニエルたちが優先したのは祈りでした。どうか自分たちを憐れんでくださいと祈ったのです。ダニエル書1章20節には、《王が彼らにさまざまの事を尋ねてみると、彼らは知恵と理解において、全国の博士、法術士にまさること十倍であった。》と書かれていますから、神さまからもらった知恵を絞って自ら道を切り開こうと努力することもできました。しかし、そうではなく神さまに求める姿勢が優先したのです。
 彼らの姿勢は、今の私たちにとって十分な模範となるのではないでしょうか。

2、ダニエルの解き明かし
 2章19節を読みます。

2:19 ついに夜の幻のうちにこの秘密がダニエルに示されたので、ダニエルは天の神をほめたたえた。

 この夢を理解したダニエルは、神さまへの畏怖と大きな感謝があったことでしょう。
 それは、「自らの命を憐れんでほしい。」という以上の壮大な神さまのご計画を知ったからです。
 ダニエルは、王の前で解き明かしをします。夢の内容は2章31-35節に書かれています。

2:31 王よ、あなたは一つの大いなる像が、あなたの前に立っているのを見られました。その像は大きく、非常に光り輝いて、恐ろしい外観をもっていました。
2:32 その像の頭は純金、胸と両腕とは銀、腹と、ももとは青銅、
2:33 すねは鉄、足の一部は鉄、一部は粘土です。
2:34 あなたが見ておられたとき、一つの石が人手によらずに切り出されて、その像の鉄と粘土との足を撃ち、これを砕きました。
2:35 こうして鉄と、粘土と、青銅と、銀と、金とはみな共に砕けて、夏の打ち場のもみがらのようになり、風に吹き払われて、あとかたもなくなりました。ところがその像を撃った石は、大きな山となって全地に満ちました。

 この内容をダニエルの解き明かしに合わせて現代風にお話しします。
 まず、頭の純金は現在ネブカデネザルの治めるバビロン王国、胸と両腕の銀は、メド・ペルシャ王国、腹の青銅はギリシャ王国、すねの鉄はローマ帝国、足の鉄と粘土は復興したローマ帝国。すなわち、ヨーロッパに興る、まとまりのあるようでない連合国のようなものだろうと言われています。そして、《像を撃った石は》、旧約聖書にいくつも預言されているメシアによる支配ということでしょう。
 つまり、ダニエルは捕囚された王の夢からこのことを悟り、イスラエルの神さまが、自分に解き明かしを伝え、歴史はすべてこのイスラエルの神さまが支配していることを証しするという大任を果たしたということです。
 2章47節を読みます。

2:47 そして王はダニエルに答えて言った、「あなたがこの秘密をあらわすことができたのを見ると、まことに、あなたがたの神は神々の神、王たちの主であって、秘密をあらわされるかただ」。

3、信頼の結果
 ダニエルは捕囚された地で、捕囚した王に対してイスラエルの神さまが、歴史もそしてこの国も支配していることを大胆に証しすることになりました。
 それは、ダニエルたちにとって、どうしようもないピンチの時でした。ダニエルたちは、神さまによって多くの知恵をいただいていました。しかし、最も頼りにしたのは、神さまから与えられた知恵ではなく、神さまご自身であったということです。

 その結果が、このような偉大な証しとなったのです。
 私たちの人生も同様ではないでしょうか。科学万能と言われる時代において、人の苦しみや悩みは消えることはありません。便利で豊かな生活が恩恵として与えられる時代になっても、争いや問題は、その数だけ増えるのです。本当に揺るがない土台はなんでしょうか。
 金も銀も青銅も鉄も砕いて大きな山となるイエス・キリストへの信頼ではないでしょうか。
 最後に、ダニエル書2章20-23節を読んで終わります。

2:20 ダニエルは言った、「神のみ名は永遠より永遠に至るまでほむべきかな、知恵と権能とは神のものである。
2:21 神は時と季節とを変じ、王を廃し、王を立て、知者に知恵を与え、賢者に知識を授けられる。
2:22 神は深妙、秘密の事をあらわし、暗黒にあるものを知り、光をご自身のうちに宿す。
2:23 わが先祖たちの神よ、あなたはわたしに知恵と力とを賜い、今われわれがあなたに請い求めたところのものを/わたしに示し、王の求めたことをわれわれに示されたので、わたしはあなたに感謝し、あなたをさんびします」。

2023年11月26日(日)
ニホン・ネットキリスト教会
メッセンジャー:香川盛治

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