ショートメッセージ【ダニエル③】

ダニエル書3章
(神を伝承する人たち)

1、金の像を立てる王
2、三人の神への信頼
3、神を伝承すること

1、金の像を立てる王
 ダニエル書3章1-6節を読みます。

3:1 ネブカデネザル王は一つの金の像を造った。その高さは六十キュビト、その幅は六キュビトで、彼はこれをバビロン州のドラの平野に立てた。
3:2 そしてネブカデネザル王は、総督、長官、知事、参議、庫官、法官、高僧および諸州の官吏たちを召し集め、ネブカデネザル王の立てたこの像の落成式に臨ませようとした。
3:3 そこで、総督、長官、知事、参議、庫官、法官、高僧および諸州の官吏たちは、ネブカデネザル王の立てた像の落成式に臨み、そのネブカデネザルの立てた像の前に立った。
3:4 時に伝令者は大声に呼ばわって言った、「諸民、諸族、諸国語の者よ、あなたがたにこう命じられる。
3:5 角笛、横笛、琴、三角琴、立琴、風笛などの、もろもろの楽器の音を聞く時は、ひれ伏してネブカデネザル王の立てた金の像を拝まなければならない。
3:6 だれでもひれ伏して拝まない者は、ただちに火の燃える炉の中に投げ込まれる」と。

 ネブカデネザル王が像を造って拝ませ、崇拝対象とすることは歴史的に見れば珍しいことではありません。民をコントロールして治めるために、また、王に従わない者をあぶり出すのにもってこいの方法なのです。

 2章47節で王は、ダニエルに《「あなたがこの秘密をあらわすことができたのを見ると、まことに、あなたがたの神は神々の神、王たちの主であって、秘密をあらわされるかただ」。》と言っているにもかかわらず、自ら造った像を拝むように言うのは矛盾したように見えますが、多神教の国で生活している私たちは理解に難くないでしょう。偶像を崇拝させることは、政治の道具として自らの権力を見せつけることが本質なのです。

 さて、この命令に対して、ほとんどの人たちは、この像を拝むわけですが、拝まない人の密告がありました。3章12-13節です。

3:12 ここにあなたが任命して、バビロン州の事務をつかさどらせられているユダヤ人シャデラク、メシャクおよびアベデネゴがおります。王よ、この人々はあなたを尊ばず、あなたの神々にも仕えず、あなたの立てられた金の像をも拝もうとしません」。
3:13 そこでネブカデネザルは怒りかつ憤って、シャデラク、メシャクおよびアベデネゴを連れてこいと命じたので、この人々を王の前に連れてきた。

 王は怒って当然です。自分のメンツがつぶされ、さらに、王自身の政治の異分子となり国政にも大きな影響を与えることになります。
 この3人は、ダニエルとともに捕囚されたユダヤ人です。モーセの律法には、イスラエルの神以外、拝んではならないという条文が何度も書かれています。イスラエル人にとって、それはアイデンティティそのものと言ってよいでしょう。
 現代のイスラエル人も、解釈に異論はあるものの頑なに守っています。

 さらに、1章では王の食事を拒否しましたが神によって守られ成長したこと、2章ではダニエルとともに祈り、神さまの導きに頼った結果、生きながらえてきた人たちです。このように自らのアイデンティティと経験によって成長してきた神さまへの信頼は、目の前にある命の危機を前にしても変わりませんでした。
 3章16-18節を読みます。

3:16 シャデラク、メシャクおよびアベデネゴは王に答えて言った、「ネブカデネザルよ、この事について、お答えする必要はありません。
3:17 もしそんなことになれば、わたしたちの仕えている神は、その火の燃える炉から、わたしたちを救い出すことができます。また王よ、あなたの手から、わたしたちを救い出されます。
3:18 たといそうでなくても、王よ、ご承知ください。わたしたちはあなたの神々に仕えず、またあなたの立てた金の像を拝みません」。

 たとえ、殺されたとしても神さまは、自分たちを導くのだ。という大きな信頼があったのです。

2、三人の神への信頼
 王は当然怒ります。3章19節です。

3:19 そこでネブカデネザルは怒りに満ち、シャデラク、メシャクおよびアベデネゴにむかって、顔色を変え、炉を平常よりも七倍熱くせよと命じた。

 三人を連れて行った人たちが近くに行って死んでしまうほど炉は熱かったと書いてあります。しかし、この三人は、神さまのお取り扱いで死にませんでした。王はその様子を見ながら三人だけではなくもう一人神のような人が見えると言っています。これが神ご自身か御使いなのかは具体的に書かれていませんが、いずれにしても、王は神秘的な光景を目にすることになります。そして王は宣言しました。3章28-29節です。

3:28 ネブカデネザルは言った、「シャデラク、メシャク、アベデネゴの神はほむべきかな。神はその使者をつかわして、自分に寄り頼むしもべらを救った。また彼らは自分の神以外の神に仕え、拝むよりも、むしろ王の命令を無視し、自分の身をも捨てようとしたのだ。
3:29 それでわたしはいま命令を下す。諸民、諸族、諸国語の者のうちだれでも、シャデラク、メシャク、アベデネゴの神をののしる者があるならば、その身は切り裂かれ、その家は滅ぼされなければならない。このように救を施すことのできる神は、ほかにないからだ」。

3、神を伝承すること
 本日の学びは、至ってシンプルな箇所ですが、学ぶことの多いところです。
 少し戻りますが、彼ら三人を密告したのはカルデヤ人という人たちでした。
 彼らは2章で、王の見た夢や解き明かしができなかった人たちです。彼らの嫉妬や権力争いに三人は巻き込まれていました。

 また王は、自らの権力欲もあったでしょうが、政治の道具として金の像を造りました。
 この金の像を拝まないことが、どれほど、王のメンツを潰し、自分たちの命を危険にさらすことになることになるか、三人はよくよく理解していたはずです。
 しかし、彼ら三人はダニエルとともに捕囚された地で何度も神さまを信頼し、その都度、神さまの導きによって、乗り越えてきた人たちなのです。

 彼らはイスラエル人であり、このような経験に基づいて成長してきた人たちなのです。自棄になったわけでもなく、冷静に判断できなかったわけでもないのです。カルデヤ人や王などの思惑を超えて、神さまへの信頼が彼らを救い導いたのです。

 よ~く考えてください。私たちは今、彼らと同じ神さまを礼拝しているのです。
 また、この物語はこれだけで終わりません。夢を解き明かされて、さらに自らのメンツや思惑を超えて働く神さまを知らされているのは、バビロンの王なのです。

 次回4章でも話すことですが、捕囚された彼らの神さまへの信仰が、ネブカデネザル王に影響を与え、ネブカデネザル王の神さまの認識が変わっていくのです。
 神さまを心の底から信頼する人は、神さまはその人に応え、そして導き、また、敵と思えるような隣人をも導くことになるのです。

2023年12月3日(日)
ニホン・ネットキリスト教会
メッセンジャー:香川盛治

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