ショートメッセージ【ホセア①】
ホセア書1-3章、列王紀下14-15章
(ホセア書の概要)
1、ホセアの時代背景
2、ホセアへの神さまのことば
3、ホセアの妻ゴメルと子供たち
1、ホセアの時代背景
イスラエル王国は、ソロモン王のあと南北2つに分裂して、北イスラエル王国と南ユダ王国という2つの国になります。
ホセアはイスラエルの国が分裂して約200年後の北イスラエル王国に遣わされた預言者でした。
1:1 ユダヤの王ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの世、イスラエルの王ヨアシの子ヤラベアムの世に、ベエリの子ホセアに臨んだ主の言葉。
ホセア書のはじめに預言者ホセアの時代が紹介されています。ホセアは、紀元前790年ごろに王となったヤラベアム(2世)の時代の北イスラエルに遣わされました。
その後ホセアが活動した時代の紹介として、ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤと南ユダ王国の4人の王たちの名前が記されています。
これは、北イスラエルのヤラベアム(2世)の後の王ゼカリヤとその後のシャルムの即位期間がそれぞれ6ヵ月と1ヵ月ととても短く、歴史に名を残し、時代を語る王とは見なさなかったと考えられます。
また、南ユダ王国の人々が、北イスラエルの状況を知って、自分たちの神さまへのありかたを見直すようにとの意図も感じられます。
北イスラエルはヤラベアム(2世)王の時代に、国力を増して領土を回復します。しかし、民たちの苦しみは激しく、国内はとても混乱していたようです(列王紀下14:25)。
ヤラベアム(2世)もその後の王であるゼカリヤやシャルムもヤラベアム(1世)の罪から離れることはなく、神さまに背き、民は偶像礼拝を続けていました。
北イスラエルの歴代の王さますべてが、初代の王ヤラベアム(1世)の犯した罪から離れることはありませんでした。自ら進んで偶像礼拝をするだけではなく、すべての国民に偶像礼拝の罪を犯させて、神さまの秩序を破壊し、神さまが受けるべき栄光を横取りし、神さまの前に3重、4重の罪を犯し続けていたのです。
それ故、神さまはアッスリヤという敵国を用いて北イスラエルを滅ぼすことを計画されます。そしてその実行まであと約70年と迫った、この時に神さまは神の民がなんとか自分の方に振り返るようにとホセア遣わしたのです。
2、ホセアへの神さまのことば
ホセア書1章2節を読みます。
1:2 主が最初ホセアによって語られた時、主はホセアに言われた、「行って、淫行の妻と、淫行によって生れた子らを受けいれよ。この国は主にそむいて、はなはだしい淫行をなしているからである」。
ホセアが神さまから命じられたのは、「この神の言葉を王や民に伝えよ。」と言ったものではありませんでした。
「行って、淫行(結婚の契約をしたにも関わらずに他の男性と性的関係をもつ)の妻を受け入れて、また、その結果生まれた子どもたちも受けいれなさい。」というものでした。
これは、「結婚したパートナー(伴侶)の浮気に耐えて受け入れなさい。」というすすめではありません。
神さまはイスラエルの民とシナイ山で契約をしました。それはまことの神さまがイスラエルの神さまとなって、イスラエルは、神さまの民=神さまの宝=神さまから恵みを受けとる者となるという契約でした。そしてその条件はイスラエルが神さまに聞き従い続けることでした。
しかしこの契約にもかかわらず、イスラエルの民は他の神々を追いかけて真の神さまに背き続けていたのです。
そこで神さまはご自身の心の痛みをイスラエルの民に理解させるために、ホセアに命じたことが1章2節の内容です。
ホセアが淫行の妻と子どもを引き取るという、民たちにもわかりやすい心の痛みを通して、神さまの心の痛みを共有することができるようにする。ということでした。
ホセアの不埒な妻こそが、まさに神さまに背き神さまに不誠実なイスラエルの民であって、預言者ホセアの心の痛みこそが神さまの痛みなのだということです。
神さまの約束の地を代々子供に受け継がせる彼らには、血筋がとても大切で、姦淫の罪は石打による死罪となっていました。それだけにホセアの痛みは彼らにもよく理解できたはずです。
ホセアにとっては厳しい命令ですが、すでにレハベアムとヤラベアムの話の中で、2人の預言者のところ(列王紀上13章)で、預言者の役割について触れました。
預言者は、どんな理由でも何があっても、神さまの立てられた秩序に従って、御心を真っ直ぐに民へ伝えなければなりませんでした。
私たちは預言者ではありませんが、それでも神さまが造られたこの世界で、神さまがたてられてゆるされた国で、その中の憲法や法律の中でいのちや財産が守られています。
私たちも神さまに守られて神さまの秩序に生きている者なのです。そして神さまは、私たちが神さまへ心を向けて、神さまの喜ばれる選択をしていくように願い導かれています。
子どもとしては、親を敬う、親としては、子をイライラさせないように養い育てる等、神さまの喜ばれる選択が聖書に記されています。そのお言葉に従い神さまの喜ばれる選択をして誠実に歩めば、神さまに祝福をいただき、私たちの心が愛と喜びと平安で満たされていきます。
3、ホセアの妻ゴメルと子供たち
1章3-4節を読みます。
1:3 そこで彼は行ってデブライムの娘ゴメルをめとった。彼女はみごもって男の子を産んだ。
1:4 主はまた彼に言われた、「あなたはその子の名をエズレルと名づけよ。しばらくしてわたしはエズレルの血のためにエヒウの家を罰し、イスラエルの家の国を滅ぼすからである。
ホセアとゴメルとの結婚、また生まれた子供に関する解釈はさまざまありますが、聖書の内容から、このようには理解できそうです。
ホセアは神さまに命じられるままにゴメルと結婚します。彼女のことはあまり知りませんでしたが、二番目の子どもの時には、ゴメルに不貞があったことがわかったようです(名づけよと神さまに命じられた名前から)。三番目の子供も誰の子であるかわかりません(1:2-9)。
彼女は、夫・ホセアから離れ、堕落し、神殿の娼婦もしくは奴隷となって生活していたようです(ホセア書3章2節の銀15シケルと大麦1ホメル半は奴隷の代金)。しかし、ホセアは憎しみを克服して、ゴメルを愛します(3:1)。そして神さまの言葉に従い、彼女を買い戻して再婚したのです(3:3)。
3人の子供たちの名前は神さまの裁きをあらわしています(ちなみに妻のゴメルも、「絶える」という意味で関係が途絶えることを意味しています)。
長男エズレルは、「散らされる」という意味で、北イスラエルの滅亡を意味しています(1:4)。長女ロルハマは、「あわれまない」という意味で、北イスラエルを決してゆるさず、二度と愛さない(1:6)、二男ロアンミは「わたしの民ではない」という意味で、シナイ契約の破棄(1:9)を示しています。
しかし神さまは、ホセアに彼女を買い戻させて再婚したように、イスラエルとの関係を回復することが記されています。
2章1節と2章23節を読みます。
2:1 あなたがたの兄弟に向かっては「アンミ(わが民)」と言い、あなたがたの姉妹に向かっては「ルハマ(あわれまれる者)」と言え。
「ロ」は否定形です。
その「ロ」が取れて
「わたしの民ではない」→「わたしの民である」
「あわれまない」→「あわれまれる者」
2:23 わたしはわたしのために彼を地にまき、あわれまれぬ者をあわれみ、わたしの民でない者に向かって、『あなたはわたしの民である』と言い、彼は『あなたはわたしの神である』と言う」。
神さまは、ロルハマは「イスラエルをあわれまない」(1:6)、ロアンミは「(神さまが)わたしの民ではない」(1:9)と言った彼らに対し、あわれまれぬ者をあわれんで、「あなたはわたしの民である。」と言ってくださると約束されています。
神さまは、どこまでも深く、私たちをあわれんでくださり、どこまでも深く私たちを追い求めて、私たちを愛し続けてくださっています。
旧約聖書 ヨエル書2章32節を読みます。
2:32 すべて主の名を呼ぶ者は救われる。それは主が言われたように、シオンの山とエルサレムとに、のがれる者があるからである。その残った者のうちに、主のお召しになる者がある。
続けて、新約聖書 ローマ人への手紙10章13節を読みます。
10:13 なぜなら、「主の御名を呼び求める者は、すべて救われる」とあるからである。
私たちが神さまにどれだけ背を向けても、立ち止まり、そして神さまへ心を向けて近づく者を神さまは喜んで受け入れてくださいます。
神さまは、神さまの前に罪を認める者の罪をすべて赦し、本来なら、神さまから愛されないようなものをも深くあわれんでくださり、「あなたはわたしの民である。」と言ってくださるのです。
2023年7月2日(日)
ニホン・ネットキリスト教会
メッセンジャー:香川尚徳
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