ショートメッセージ【レハベアム】
歴代志下10-12章、列王紀上11-12章
(レハベアムとヤラベアム)
1、王国分裂の経緯~自分の価値観に従ったレハベアム
2、主を求めることに心を傾けなかったレハベアム(歴代志下12:14)
1、王国分裂の経緯~自分の価値観に従ったレハベアム
歴代志10章(列王紀上11章)から、ソロモンのイスラエル王国が二つに分裂する事態が記されています。
これは、すでに神さまがソロモンに言っていたことでした。
列王紀上11章11-13節を読みます。
11:11 それゆえ、主はソロモンに言われた、「これがあなたの本心であり、わたしが命じた契約と定めとを守らなかったので、わたしは必ずあなたから国を裂き離して、それをあなたの家来に与える。
11:12 しかしあなたの父ダビデのために、あなたの世にはそれをしないが、あなたの子の手からそれを裂き離す。
11:13 ただし、わたしは国をことごとくは裂き離さず、わたしのしもべダビデのために、またわたしが選んだエルサレムのために一つの部族をあなたの子に与えるであろう」。
その家来とは、ヤラベアム(民は増すの意)のことです。
また、《あなたの子の手からそれを裂き離す》と言われているあなた=ソロモンの子とはレハベアム(民は増え広がったの意)のことです。
レハベアムはソロモンの死後、王国を引き継ぐことになりました(列王紀上12:11)。しかし、そこにヤラベアムが立ちはだかります。
歴代志下10章3-4節を読みます。
10:3 人々は人をつかわして彼を招いた。そこでヤラベアムとすべてのイスラエルは来て、レハベアムに言った、
10:4 「あなたの父は、われわれのくびきを重くしましたが、今あなたの父のきびしい使役と、あなたの父が、われわれに負わせた重いくびきを軽くしてください。そうすればわたしたちはあなたに仕えましょう」。
ヤラベアムは、神さまからすでにイスラエルの10部族を与えると言われていました(列王紀上11:31)。しかし、自ら1つの国を分裂させたくないという思いがあったのでしょうか。レハベアムに父ソロモンが課した重い税金や過酷な強制労働(列王紀上5章13~18節他)を軽くするように、そうしたらあなたを王様として今まで通り仕えます。と申し入れをします。
レハベアムは、王となってすぐに重大な政治的判断を迫られました。そこで周りの意見を聞きます。そこで長老たちは、要求を柔軟に受け入れるように説得しますが、レハブアムは自分と同世代の若者たちの意見に従い、より一層、その負担を重くするとヤラベアムたちを脅したのでした。
歴代志下10章14節を読みます。
10:14 若者たちの勧めに従い、彼らに告げて言った、「父はあなたがたのくびきを重くしたが、わたしは更にこれを重くしよう。父はむちであなたがたを懲らしたが、わたしはさそりであなたがたを懲らそう」。
長老たちと若者たち、2つの相反する意見がありましたが、レハベアムは、結局自分の価値観、自分の思いに従ったということでしょう。それは、父ソロモンの価値観をそのまま引き継いだものでした。また、父と比べて弱腰とみられたくないとの思いもあったかもしれません。
このことによって王国は10部族からなる北イスラエルと2部族の南ユダに分かれます。
南ユダの2部族は、列王紀上12章23節《「ソロモンの子であるユダの王レハベアム、およびユダとベニヤミンの全家、ならびにそのほかの民に言いなさい、》で、ユダとベニヤミンの全家と言われているように1部族として扱われています。
エルサレムはベニヤミン部族の支配地でしたが、カナンの地の先住民エブス人の町となっていました。
ユダ族出身のダビデがその町を勝ち取り、やがて王国の中心地となり、神殿が建設されました。
また、サウル王を輩出したベニヤミン族も、サウルの後にダビデが“王”となる時に、一部反対した者たちもいましたが、ダビデを支援したといった経緯からも1つとして見られるようになったということなのでしょう。
仮にレハベアムが、父ソロモンの豪華な宮廷生活や壮大な国家事業のつけを払い、強制労働で疲弊する民たちの辛い状況や気持ちに目を向け、そして自分の思いではなくて神さまへ、その御心を問い、祈り求めていたら、歴代志下10章15節の《…これは主が、かつてシロびとアヒヤによって、ネバテの子ヤラベアムに言われた言葉を成就するために、神がなされたのであった。》とたとえ言われていたとしても、その時期や状況は変わっていたのではないかと思わされます。
2、主を求めることに心を傾けなかったレハベアム(歴代志下12:14)
歴代志下10章18節‐11章4節を読みます。
10:18 レハベアム王は徴募人の監督であったアドラムをつかわしたが、イスラエルの人々が石で彼を撃ち殺したので、レハベアム王は急いで車に乗り、エルサレムに逃げた。
10:19 こうしてイスラエルはダビデの家にそむいて今日に至った。
11:1 レハベアムはエルサレムに来て、ユダとベニヤミンの家の者、すなわち、えり抜きの軍人十八万人を集め、国を取りもどすためにイスラエルと戦おうとしたが、
11:2 主の言葉が神の人シマヤに臨んで言った、
11:3 「ソロモンの子、ユダの王レハベアムおよびユダとベニヤミンにいるすべてのイスラエルの人々に言いなさい、
11:4 『主はこう仰せられる、あなたがたは上ってはならない。あなたがたの兄弟と戦ってはならない。おのおの自分の家に帰りなさい。この事はわたしから出たのである』」。それで人々は主の言葉を聞き、ヤラベアムを攻めに行くのをやめて帰った。
レハベアムは、徴募人の監督=強制労働の監督アドラムをイスラエルに遣わします。強制労働に反対してユダに反目した彼らでしたから、強制労働の監督が来れば、彼らの心を逆なでして、ただでは済まさないことは容易に想像できそうですが、レハベアムはそういった人の気持ちを汲むことが苦手だったようです。
この一件でレハベアムは、十八万人の軍人を集めイスラエルと戦おうとします。しかし、主の言葉に聞き従い、ヤラベアムを攻めに行くのをやめて帰ります。
北イスラエルから逃れてきたレビ人たちにも励まされて、レハベアムは3年間国を強固にして治めます。
父ソロモンの価値観を引き継いだレハベアムは、妻18人そばめ60人をめとり多くの子供をもうけます。しかしその子供たちを各地の要所に散らばらせ、早くに次の王となる跡取りアビヤを決めて、賢く振舞います。
しかし、レハベアムは主を求めることに心を傾け続けることができませんでした。
ここは聖書からその流れを見ましょう。
歴代志下12章1-2節と5-8節、12節を続けて読みます。
12:1 レハベアムはその国が堅く立ち、強くなるに及んで、主のおきてを捨てた。イスラエルも皆彼にならった。
12:2 彼らがこのように主に向かって罪を犯したので、レハベアム王の五年にエジプトの王シシャクがエルサレムに攻め上ってきた。
12:5 そこで預言者シマヤは、レハベアムおよびシシャクのゆえに、エルサレムに集まったユダのつかさたちのもとにきて言った、「主はこう仰せられる、『あなたがたはわたしを捨てたので、わたしもあなたがたを捨ててシシャクにわたした』と」。
12:6 そこでイスラエルのつかさたち、および王はへりくだって、「主は正しい」と言った。
12:7 主は彼らのへりくだるのを見られたので、主の言葉がシマヤにのぞんで言った、「彼らがへりくだったから、わたしは彼らを滅ぼさないで、間もなく救を施す。わたしはシシャクの手によって、怒りをエルサレムに注ぐことをしない。
12:8 しかし彼らはシシャクのしもべになる。これは彼らがわたしに仕えることと、国々の王たちに仕えることとの相違を知るためである」。
12:12 レハベアムがへりくだったので主の怒りは彼を離れ、彼をことごとく滅ぼそうとはされなかった。またユダの事情もよくなった。
日本語訳が分かりやすい新改訳2017の歴代誌第二の12章12節も見ます。
12:12 王がへりくだったとき、主の怒りは彼を離れ、主は徹底的に滅ぼすことはされなかった。ユダにも良いことがあったのである。
このレハベアムのへりくだりによって、南ユダ王国は、北イスラエルよりも長く独立を保ち(136年)、主に従う良い王も登場します。
レハベアムという人物は、父ソロモンの影響を大きく受け、その価値観と思いをそのまま引き継いだ王さまでした。人の思いや気持ちをおもんばかることは苦手でしたが、父ソロモンほどには知恵がないことはわかっていたのでしょう。人に意見を求め素直に聞くことのできる王さまでした。
歴代志下13章7節に《レハベアムは若く、かつ意志が弱くて》と書かれていますので、それも理由だったかもしれません。
神さまからお言葉があった時は、そのお言葉にも素直に聞いて、へりくだって従うことのできる王さまでした。
しかし、自ら神さまを求めることに心を傾けて、その心を傾け続ける安定した信仰を維持できませんでした。
歴代志12章4節では、
12:14 レハベアムは主を求めることに心を傾けないで、悪い事を行った。
つまり、神さまはレハベアムを通して、私たちにこのことを教えています。
自分の価値観や思いではなく、主を求めよ。主を求め続けよ。
主に心を傾けて心を主に定めて、主の御心に従うように。そうすればあなたを守りあなたを祝福すると主は言われています。
2023年4月16日(日)
ニホン・ネットキリスト教会
メッセンジャー:香川尚徳
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