ショートメッセージ【モーセ①】

(モーセの略歴)
はじめに
1、モーセの紹介
2、イスラエル人のエジプト寄留400年後
3、モーセの誕生
4、祝福された家族は民族へ

はじめに
 本日から、約8回に分けてモーセを見ていきます。モーセは出エジプト記から登場する人物です。モーセを見ていく前に、少しヤコブ(創世記46-50章)のことを見ていきます。

 創世記の46-47章は、「ヤコブ一家の移住」です。 
 神さまは、当時最も文化の進歩していたエジプトで、ある期間、一族から民族へ養い育てる計画をされました。そして、イスラエルの民族を帰国させることを約束されたのです。

創世記
46:3 神は言われた、「わたしは神、あなたの父の神である。エジプトに下るのを恐れてはならない。わたしはあそこであなたを大いなる国民にする。
46:4 わたしはあなたと一緒にエジプトに下り、また必ずあなたを導き上るであろう。ヨセフが手ずからあなたの目を閉じるであろう」。

 48-49章は、「ヤコブの子どもたちへの祝福と預言」です。
 一般的に祝福と言われていますが、預言(49:1)であり、遺言(49:28)です。いわゆる祝福と共にのろい(性格的なものから起因するもの)も含まれています。
 ヤコブは、長子の権利を分割して、ユダをメシアの約束を成就する道とし(49:10)、民族としての名声はヨセフの息子エフライムのものと宣言(48:19-22、49:22-26)していると思われます。 
 12部族についてのヤコブ預言は、聖書の記述と合致していきます。49:10の「シロ」は、メシアを意味すると考えられています。ユダ族からダビデが生まれ、ダビデの家系からイエス様が生まれました。

 50章は、「ヤコブの死とヨセフの死」を取り扱っています。
 ヤコブの遺体は埋蔵のためにヘブロンへ戻されました。またヨセフは、兄弟たちに、兄弟たちにイスラエル人がカナンの地に帰るときには自分の遺体を持っていくように誓わせています(50:24-25)。カナンが故郷であるという思いは忘れられていませんでした。そして400年後にカナン向かって出発したとき、イスラエル人はヨセフの遺骸を携えて行きました(出エジ13:19)

それでは、モーセを見ていきましょう。

出エジプト記1章-2章9節

1、モーセの紹介
 今回から数回にわたって、神さまに導かれて、エジプトのファラオから奴隷となったイスラエル人を救い出したモーセを見てきます。
 本日は、モーセさんのアウトラインを見ていきましょう。
 旧約聖書の2番目の書簡、出エジプト記の中心人物です。ユダヤ人たちを奴隷の身から解放した人物として描かれるモーセ。
 映画『十戒』において、海を割るシーンは観る人々に鮮烈な印象を与えました。
 モーセとは一体どのような人物だったのでしょうか。

 今回はその生涯について、ご紹介していきます。
 出身地は、エジプト
 生まれた年は、紀元前1330年?
 →エジプトでイスラエルの民の子孫として誕生しました。
 亡くなった年は、紀元前1210年(享年120歳)です。
 モーセさんの人生は大きく分けて3つです。
 最初は、エジプト宮廷に40年。そして、荒野で40年。最後にイスラエル人を導いて40年です。

 そして、本日からはじまる、モーセさんのお話ですが、聖書の2番目の書簡、出エジプト記の主人公です。また、聖書の最初の5巻「創世記」「出エジプト記」「レビ記」「民数記」「申命記」を書いた人物です。

2、イスラエル人のエジプト寄留400年後
では、見ていきましょう。
出エジプト記
1:1 さて、ヤコブと共に、おのおのその家族を伴って、エジプトへ行ったイスラエルの子らの名は次のとおりである。
1:2 すなわちルベン、シメオン、レビ、ユダ、
1:3 イッサカル、ゼブルン、ベニヤミン、
1:4 ダン、ナフタリ、ガド、アセルであった。
1:5 ヤコブの腰から出たものは、合わせて七十人。ヨセフはすでにエジプトにいた。
1:6 そして、ヨセフは死に、兄弟たちも、その時代の人々もみな死んだ。
1:7 けれどもイスラエルの子孫は多くの子を生み、ますますふえ、はなはだ強くなって、国に満ちるようになった。

 ヨセフがエジプトの王の全面的な信頼を得て、今でいう総理大臣にまでなっていた時代は、ヨセフの父やその兄弟たちのエジプトへの移住も許されて、王から最も良い土地を与えられていました。

 しかし、ヨセフが生涯を終え、400年も経つころには、ヨセフのことはおろか、イスラエルの民が自分の国に住むようになった経緯も知らない王が国を治めることになりました。
 この間、イスラエル人の数は急激に増加しています。エジプトを出る時には、女性と子どもを除いて、20歳以上の男が60万人いました。(民数記1:46)
 その数から一般的に、総人口は200-300万人いたと考えられます。ヤコブ(イスラエルの家族)70人が400年余りで200-300万人になりました。(約25年ごとに倍増。移民政策をとっているとは言え、米国は400年で2億5000万人)

1:8 ここに、ヨセフのことを知らない新しい王が、エジプトに起った。

 有力な一説によると、ヨセフの時代には、ヒクソスと呼ばれたセム系の遊牧民族が、エジプトを侵略し支配していて、彼らは紀元前18世紀-前16世紀にかけてエジプトを支配していた狩猟民族で、ヤコブ一族と同じセム系の民族であったため、ヨセフの家族に好意的だったと言われています。しかし、やがて彼らはナイル川上流地方のエジプト第18王朝の王たちによって、エジプトから駆逐されたそうです。この説が正しければ、ヨセフのことを知らない新しい王とはヒクソスではなく、もともとのエジプト民族に属する人物であったかもしれません。

1:9 彼はその民に言った、「見よ、イスラエルびとなるこの民は、われわれにとって、あまりにも多く、また強すぎる。

 イスラエル人は多産で、強いと言っています。そのことを脅威に感じたのです。

1:10 さあ、われわれは、抜かりなく彼らを取り扱おう。彼らが多くなり、戦いの起るとき、敵に味方して、われわれと戦い、ついにこの国から逃げ去ることのないようにしよう」。
1:11 そこでエジプトびとは彼らの上に監督をおき、重い労役をもって彼らを苦しめた。彼らはパロのために倉庫の町ピトムとラメセスを建てた。
1:12 しかしイスラエルの人々が苦しめられるにしたがって、いよいよふえひろがるので、彼らはイスラエルの人々のゆえに恐れをなした。

 エジプト人は恐れを抱き、イスラエル人へ課す労働が過酷なものにしていきました。またそれだけではなく、イスラエル人の助産婦たちに、イスラエル人の女性が出産するとき、産まれた赤ちゃんが、男の子だったら殺すように命令しました。(15-16)
しかし、助産婦たちは、それは神さまに対する罪だと考え、その命令に従わず、王に咎められると、《「ヘブルの女はエジプトの女とは違い、彼女たちは健やかで助産婦が行く前に産んでしまいます」。》(1:19)と言い訳しました。そこでエジプト王は、《「ヘブルびとに男の子が生れたならば、みなナイル川に投げこめ。」》(1:22)と、殺人を徹底させようとしました。

3、モーセの誕生
2:1 さて、レビの家のひとりの人が行ってレビの娘をめとった。
2:2 女はみごもって、男の子を産んだが、その麗しいのを見て、三月のあいだ隠していた。
2:3 しかし、もう隠しきれなくなったので、パピルスで編んだかごを取り、それにアスファルトと樹脂とを塗って、子をその中に入れ、これをナイル川の岸の葦の中においた。

 そのような状況の中、イスラエルの中でも、祭司を出す部族であるレビ族の女性が1人の男の子を産みました。我が子を殺すことをできなかった彼女は、3か月の問、密かに育ててきましたが、いよいよ隠しきれなくなると、パピルスで編んだかごに樹脂などを塗って防水し、そこに赤ん坊を入れてナイルの岸辺の葦が茂る湿地帯に浮かべてきました。
 母親の指示だったのか、自発的な行為だったのか定かではありませんが、赤ん坊の姉は、少し離れた所にとどまってようすを見ていました。するとそこに、王の娘が侍女たちを連れて、水浴びをしにやってきました。一行は、かごの中で泣いている赤ん坊を見つけると、これはきっとイスラエルの女が殺しきれずに捨てた子だろうと察しをつけます。
 王女の言動に好意的なものを感じたのか、姉は近づいていって、《「わたしが行ってヘブルの女のうちから、あなたのために、この子に乳を飲ませるうばを呼んでまいりましょうか」》(2:7)と申し出、王女が《「行ってきてください」》(2:8)と言ったので、その場に自分の母、つまり赤ん坊の実の母を連れてきました。
 
 王女は、《「この子を連れて行って、わたしに代り、乳を飲ませてください。わたしはその報酬をさしあげます」。》(2:9)と言ってその子を託しました。
 こうして、赤ん坊の実の母親は、エジプトの王女に、その子の乳母として雇われ、乳離れするまで自分のもとでその子を育てることができたのです。
 その子が大きくなり、母親が約束どおり王女のもとに連れていくと、王女はその子にモーセという名前をつけ、養子にしました。モーセには「引き出す」という意味があり、王女は《「水の中からわたしが引き出したからです」。》といってそう名づけたのです。

4、祝福された家族は民族へ
 エジプトの宰相にまでなったヨセフの父ヤコブことイスラエルの家族は、祝福され400年経つと200-300万人にまで増えていました。アブラハム夫婦から始まった家族は、やがて、直系の家族から支族が増え、民族となったのです。
しかし、エジプトでは、王朝が代わってイスラエル人は奴隷民族にされましたが、アブラハム、イサク、ヤコブの家族の記録は、エジプトに携えて行かれ、長い奴隷生活の間、カナンがいつの日か民族の故郷となり、彼らは自由の身になるという約束を固く心に抱いていました。

創世記50章24節
50:24 ヨセフは兄弟たちに言った、「わたしはやがて死にます。神は必ずあなたがたを顧みて、この国から連れ出し、アブラハム、イサク、ヤコブに誓われた地に導き上られるでしょう」。

 いよいよ、誓われた地、約束の地へ行く準備、いえ神さまの備えが整えられていきます。

 神さまは、神さまを呼び求める者に必ず応えられます。そのことが、この聖書箇所でわかります。現代の私たちにも、神さまを呼び求める者に必ず応えて下さっています。
 また、神さまは約束を守り果たされます。

2022年6月26日(日)
ニホン・ネットキリスト教会
メッセンジャー:戀田寛正

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教会は、人がこの世に生まれた時から天に召される時まで、すべての時が神の導きと祝福の内にあることを実感するところです。そして、聖書は人生の処方箋とも言えます。人生に行き詰まりを感じることや、疲れをおぼえる時は、先ず休むことです。明日のことは、明日にならないとわかりません。明日に備えてグッスリ眠るほうが健康的です。
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