ショートメッセージ【ネヘミヤ③】
ネヘミヤ記4-5章
(城壁再建の完成)
1、神への信頼の結果として
2、城壁再建を通して
3、城壁の再建は神の民の再建だった
1、神への信頼の結果として
ネヘミヤ記4章1節を読みます。
4:1 サンバラテはわれわれが城壁を築くのを聞いて怒り、大いに憤ってユダヤ人をあざけった。
ネヘミヤはエルサレムに来てから、多くのユダヤ人たちの支持を受けて城壁修理を開始しました。しかし、すでに支配権や利権をもっている者たちにとっては、ネヘミヤの存在もその事業もやっかいでした。
ネヘミヤは、王のお気に入りであり、大きな権限をもっていたからです。
ここで押さえておきたいポイントは、ネヘミヤは王や法令、文化を尊重はしていますが、最も信頼していたのはイスラエルの神さまであったということです。
自分の支配権や利権を意識するのは人間として当然です。しかし、神さまと神さまの導きを一番にする者との違いは、神さまにある者としての人格が成長し、多くの人を動かす器となっていくのでしょう。
ネヘミヤ記4章3節を読みます。
4:3 またアンモンびとトビヤは、彼のかたわらにいて言った、「そうだ、彼らの築いている城壁は、きつね一匹が上ってもくずれるであろう」と。
しかし、実際の工事の出来はどうだったでしょうか。
4章6節を読みます。
4:6 こうしてわれわれは城壁を築いたが、石がきはみな相連なって、その高さの半ばにまで達した。民が心をこめて働いたからである。
神の民の工事はすばらしいものでした。神さまへの信頼と想いが、まさに形となって現わされたものだったのです。一部の反対者たちは工事に参加しませんでしたが、そのことによって精度の高い働きにつながりました。
ある注解書や解説には、ネヘミヤは反対者にも理解してもらうようにもっと配慮をするべきというものがあります。しかし、それは間違いでしょう。この城壁の出来栄えを考えるとネヘミヤの判断は正しいと言えます。
神さまのご命令された事業は、結果が求められるものだからです。
神さまへの信頼は、口先だけの何となくの繋がりや妥協では成り立たないものです。
厳しいようにも見えますが、神の国と神の義を第一に求めることが、その結果を与えられるという聖書の根本的な原則を教えてくれています。
2、城壁再建を通して
さて、この事業を通して与えられたものは、城壁再建だけではありませんでした。
まず、今回見てきた通り、誰が真の神さまを信頼し、また、神さまから信頼ある者とされているかを知ることができました。多くの人が、心から忠実な働きをする中、文句を言って参加しないものがいました。
4章8節に書いてあるように、《4:8 皆共に相はかり、エルサレムを攻めて、その中に混乱を起そうとした。》りするものがいたことからわかります。
時には、4章11節に書いてあるように、《4:11 またわれわれの敵は言った、「彼らの知らないうちに、また見ないうちに、彼らの中にはいりこんで彼らを殺し、その工事をやめさせよう」。》と過激になっていきました。
過去の歴史や時流を見るだけでも愚かなこだと気付かない盲目的な一部の人たちは、バビロン捕囚前のイスラエルの人たちを思い起こさせます。
そして、彼らの私怨や思い込みはすべて封じられることになります。
次に、生活の改善です。5章4-5節を読みます。
5:4 ある人々は言った、「われわれは王の税金のために、われわれの田畑およびぶどう畑をもって金を借りました。
5:5 現にわれわれの肉はわれわれの兄弟の肉に等しく、われわれの子供も彼らの子供に等しいのに、見よ、われわれはむすこ娘を人の奴隷とするようにしいられています。われわれの娘のうちには、すでに人の奴隷になった者もありますが、われわれの田畑も、ぶどう畑も他人のものになっているので、われわれにはどうする力もありません」。
神の民の現状を見てネヘミヤは怒りました。そしてネヘミヤは言いました。5章7-12節です。
5:7 わたしはみずから考えたすえ、尊い人々およびつかさたちを責めて言った、「あなたがたはめいめいその兄弟から利息をとっている」。そしてわたしは彼らの事について大会を開き、
5:8 彼らに言った、「われわれは異邦人に売られたわれわれの兄弟ユダヤ人を、われわれの力にしたがってあがなった。しかるにあなたがたは自分の兄弟を売ろうとするのか。彼らはわれわれに売られるのか」。彼らは黙してひと言もいわなかった。
5:9 わたしはまた言った、「あなたがたのする事はよくない。あなたがたは、われわれの敵である異邦人のそしりをやめさせるために、われわれの神を恐れつつ事をなすべきではないか。
5:10 わたしもわたしの兄弟たちも、わたしのしもべたちも同じく金と穀物とを貸しているが、われわれはこの利息をやめよう。
5:11 どうぞ、あなたがたは、きょうにも彼らの田畑、ぶどう畑、オリブ畑および家屋を彼らに返し、またあなたがたが彼らから取っていた金銭、穀物、ぶどう酒、油などの百分の一を返しなさい」。
5:12 すると彼らは「われわれはそれを返します。彼らから何をも要求しません。あなたの言うようにします」と言った。そこでわたしは祭司たちを呼び、彼らにこの言葉のとおりに行うという誓いを立てさせた。
と書いてある通りです。同胞同志が互いに愛し合い、助け合わないならばならないことを実践することになりました。このような中、城壁再建は完成していくのでした。
3、城壁の再建は神の民の再建だった。
現代の私たちも同じですが、仕事であれ、学校であれ、家庭や地域であれ、多くの人と行う事業活動に参加することはその集団の利益となるだけではなく、個人の成長や信頼にもつながっていきます。その個人の力がまた集団に還元されていくというのが良い人間関係の循環と言えるでしょう。
この時代の神の民は、城壁を修復する事業を通して神の民としての心の修復をも行っていたということです。
ネヘミヤは全体を把握し、真の神の民を見分け、さらに働くものたちが事業に専念するため、律法という規範をもとに生活改善や改めを求めました。それに素直に従う神の民たちはバビロン捕囚前の先祖たちと比べると大きく改善しました。
神さまの導きは、時に自分の目には理解できないことが多くあります。
自分自身の如何ともし難い罪や弱さで苦しむことがあるかもしれません。しかし、神さまへの信頼をもち、素直に従う心があれば、神さまは間違いなく私たちを導かれます。
2024年3月3日(日)
ニホン・ネットキリスト教会
メッセンジャー:香川盛治
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